中国の気功法「五禽戯」は、動物の動きを真似ることによって、気のエネルギーをめぐらせる興味深い功法です。シリーズ第3回目は、「五禽戯」の詳しい解説と、元極功法「六神秘功」への転用についてのお話です。
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2018年12月30日

動物の動きをまねて、気のエネルギーをめぐらせる。
大地のエネルギーを掴み取り、天に向かって発する事をしています。

虎の爪
天のエネルギーをつかみ地に向かって発する。動作を繰り返して、体内に天地のエネルギーを取り込み、取り入れ 充満させる。繰り返して体中に 巡らせています。

鹿の角
遠方にあるエネルギーを取り入れ、 遠くからエネルギーを体内に取り入れ巡らせます。できるだけ多くのエネルギーを 取り込む働きがあります。


十分に気を貯めています。 十分に気を貯めて、天地のエネルギーを蓄えて 引き込む。引き込んで 巡らせます。吸引力を高めてエネルギーを吸収し、飽和状態にして巡らせます。


熊手のなかに エネルギーの玉があります。熊の舞のような形をすることで 全身に エネルギーを集中して集めます。集めて全身に巡らせます。手にエネルギーの玉を作り、その玉をもう一度体内に取り込んで内へ運びます。五禽戯の重要な役割はエネルギーを集めて体内に巡らせるということです。そのため熊のような動きをして他の動物の方ではできなかった体内の流れを作り出し内臓に聞かせています。


鳥の動きでは 羽ばたくような形で、大地のエネルギーを集める働きをしています。大きな羽ばたきを繰り返すことで、大地のエネルギーを大きく大きく取り込んでいます。実際の効能としては、大きく羽ばたくような形をとることで、両手を使う全身運動となる特徴があり、そのため集めたエネルギーを大きく体内に巡らせる働きがあります。羽ばたくような形を取り、内臓を動かすような形をとることで エネルギーを浸透させていきます。

2018年12月31日

五禽戯の転用

これは呼吸法によって、 気の入れ方、流れを整えています。動物の動きを真似ることによって、呼吸体系を整えて邪気を排出し、天地のエネルギーを 取り入れるということをしています。

動物の動きを使い、取り入れ方に変化をもたらし、あらゆる経脈を使い、様々なエネルギーの取り入れ方をしています。

そして腹部の中脈に集めるということをしています。
中脈を当時は知らないまでも、あくまで知らない上で、中丹田に集めているエネルギーを中黄庭に送り届けて作用させるということをしています。

中丹田というのは当時認識のあった丹田ではあるが、そのエネルギーを集め続けていると腹部全体に広がり、エネルギーが蓄えられ、それが中黄庭と呼ばれるところにも働きかけをしているという捉え方をすれば良いのです。

動物の動きを使って全身運動をして、呼吸法と同期させながらエネルギーを取り入れていくという功法となっていました。

その上で六神秘功への取り入れは、動物の動きを取り入れることで使われた経脈などへの取り入れ方法を活かしながら、大量のエネルギーを腹部に貯めて内臓に作用させるということをします。

六神秘功では体の動作がありませんが、五禽戯の功法の特徴を生かし、体内に取り入れる時の躍動感であること、よくよくと巡らせる力であること、その結果多くのエネルギーを体内に貯めるということ、これらの利点を生かした六神秘功になるよう我々は働きかけます。