最近続けて小さな子どもへの虐待が報道されました。
親からの虐待で命を失くす子どものことを思うと胸が詰まります。
そんな時に、まったく逆の意味で胸を打つ、親子のお話を見つけました。
2018年のブログから紹介します。

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2018年10月4日 <生き方>

10年ほど前、高山市宮小学校の田中校長先生が「がりゅう通信」の中で、二年前のある講演会でのお話を紹介してみえます。

『「私の妹はとっても可愛い三つ子です。それでお母さんは毎日朝から晩まで赤ちゃんのお世話で大忙しです。だから私は少しでもお母さんが楽になるように自分のことは自分でしっかりやったり、お手伝いしたりして頑張っています」

という内容の「私の妹」と題する作文で、ある三年生の女の子が文部科学大臣賞を受賞しました。

東京での授賞式の帰路、お母さんが、

「すばらしい表彰式だったね。実はお父さんから、ご褒美に何でも買ってあげなさいとお金を預かっているの、何がほしい?」と聞きました。

暫くして、「何にもいらないよ」と女の子が応えました。

「遠慮しなくてもいいんだよ。何でも言ってごらん」と再び聞きました。

しかし、「本当に何もいらないよ」と相変わらずの返答です。

新幹線からバスに乗り換え、降車する近くになって初めて、
「お母さん、おんぶして」と囁(ささや)きました。

さて、家に帰って、赤ちゃんを寝かせた後、お母さんは娘をおんぶして近くの公園へ散歩に出かけました。

暫くすると、お母さんは首筋に生暖かいものが流れてくるのに気づいたそうです。

そして、お母さんは、
「ごめんね、ごめんね。」と娘を抱きしめ、親子で泣き合った。』

と、いった内容です。

最近、自閉症などのお子さんやお母さんとご一緒することが多く、子供への接し方について考えることも多々あって、胸を打たれたお話でした。

むやみに何でも買い与え『甘やかす』のではなく、本当の意味で子供が甘えなければいけない時期に、しっかりと『甘えさせて』あげたいものです。